2011年12月16日金曜日

“メリー・クリスマス” はもう言わない?

 
アメリカだったらクリスマスの本場だね!みたいなイメージもあるでしょうか、お祭り好き遊び好きのアメリカ人が12月に入るなり浮ついていることは確かです。
 
週末ごとにいそいそ買い物 (←もちろんクリスマスプレゼントの) に出かけたり、家をおおうような大掛かりな電飾を取り付け始めたりと、大のおとなが張りきっています。
 
しかしそんなアメリカ人でも、クリスマスについて 「昔はよかったなあ」 と溜息をもらす一面もあるようです。
 
そのことは、アメリカ人から私に送られてきた一枚のクリスマスカードにも表れています。
 
このカード、タイミングでいえばまぎれもないクリスマスカードなんですが、クリスマスのクの字も見当たりません。
 
そのかわり何て書いてあるかというと、

Hoping you have a Happy Holiday Season ...

良きホリデーシーズンを過ごしてください、ですって。
 

今はもう、メリー・クリスマスなんていうキリスト教のお祭りを讃える言葉はうっかり使えない時代になったんでしょうねえ。
 
アメリカの宗教多数派はもちろんキリスト教徒。

でも多民族国家ですから、大勢の仏教徒もヒンズー教徒もユダヤ教徒がいる。
 
そしてイスラム教徒も ...
 
その人たちに向かってうっかりメリー・クリスマス!なんて言えない空気が、今のアメリカにはただよっている。
 
 
ひと昔まえだったら、そんなことを気にする人はあまりいなかったでしょう。
 
だってクリスマスは国じゅうをまきこむ巨大でハッピーなイベントだから、すべてのアメリカ国民が 「メリー・クリスマス!」 と声をかけあうことに疑問をいだく人はいなかったはず。
 
異教徒の側も、メリー・クリスマスと言われたら、ああそう、まあ楽しんでよねぐらいに軽く受け流す程度のことです。
 
ところが9.11を境に、いろんなことが変わってしまった。
 
事件後しばらくは、国内のイスラム教徒を敵視・排斥する不穏な空気が広がった。
 
もちろんそれはよくないことだというふうに社会が良心を取り戻し、民族・宗教による新たな差別がはびこらないように、アメリカ人もずいぶん努力してきたと思います。
 
それはそれでとてもよかった。
 
マジョリティというのは常にマイノリティの気持ちにたいして鈍感だから、このことはアメリカ社会をまた一歩成熟に向けて前進させたと思います。
 
でも、この種のことにつきものなのが、差別はイカンという緊張した空気が、行き過ぎを生み出すこと。
 
つまり、被差別対象だったイスラム教徒に 今度は正しく接しよう と思うあまり、態度がおっかなびっくりになってしまう。
 
わかりますよね?
 
こっちが勝手にビビっちゃって、相手の機嫌をうかがってしまう感じ。
 
昔だったら気軽にかけあっていた言葉が、急に大きな意味を持ってしまう (または持つように感じられる) ようになり、ピタリと口を閉ざしてしまうわけです。
 
無邪気にメリークリスマス!と言っていたものが、こりゃいかんということになり、「よい休暇をお過ごしください」 に置き換わってしまう。
 
 
ここまでの話は、模式図のようなつもりで書いたものです。
 
実際には、見るからにイスラム教徒らしい風体の人に向かってメリー・クリスマス!とやる人は、今も昔もいないでしょう。
 
でも、他民族国家で暮らしていると、カードを送るような知り合いでありながら、よく考えてみたら相手の宗教について何も知らないなんてことが起きるわけです。
 
実際、私にカードを送ってくれたアメリカ人も、今年仕事で知り合ったばかりで、友人という距離感ではありませんが、今後おたがいに仲良くしておきたいねといった関係。
 
彼は人種(白人)と出身地の宗教分布から見て、90%の確率でキリスト教徒だと踏んでいますが、むこうは私が何教徒かを知らないはずです。
 
日本にあるていど詳しいので、きっと仏教徒だろうくらいには思っているでしょう。
 
でも仏教徒だって熱烈な信者だったらメリー・クリスマス!が気に入らないかもしれないし、私がイスラム教徒でないという証拠もない。
 
だったら 「良き休暇をお過ごしください」 が一番安全、と彼は判断したのかもしれません。
 
相手は日本人であり、基本的に宗教色の薄い連中ですから、9.11以前だったら何の気なしにメリー・クリスマスだったかもしれないのに。
 
という話です。
 
もちろん私自身は、メリー・クリスマスを言われたら季節の楽しいご挨拶というつもりで、同じ言葉をお返しするんですけどね。 良い休暇を、ってのはちょっと味けない気もする。
 
だからアメリカ人だったら、今はもう誰とでも無邪気にメリー・クリスマスを言い交わし、ほのぼのと温かい気持ちになれる時代ではなくなってしまったと、そんな嘆きというか淋しさを感じている人が結構いるんじゃないかと ...
 


以上、一枚のクリスマ・・・ じゃなかった 季節のご挨拶カード を見ながらつらつらと妄想してみたんですけど余計なお世話でしたよねアメリカの皆さん。
 
いろんな意味ではるかに気楽に(脳天気に?) クリスマスを楽しむであろう日本の風景を思い起こしつつ ...
 

 
12/16のトレード結果です。
  
 
EUR/USD
 
日足の200SMAが下向きのためお休みでした。

EUR/USD 成績表
 
 
 
EUR/JPY
 
200SMA: 下降
フェーズ:  上昇ユマ (買いNG)
損  益:  なし
 
上へブレーク しましたが、200SMAが下向きのままだったのでパス。 エントリーしていたら、20pipも取れずにストップアウトしていました。
 
その後は下へブレーク  。 ルールどおりであればショートでしたが、私はルールを破ってパスしてしまいました。
 
なぜだったのかうまく説明できないのですが、時間帯がおいしくなくなりかけていたこと、長い足を見ながら 「このまま下落は続かないんじゃ」 と感じていたことぐらいでしょうか。
 
根拠のはっきりしない行動はNGですが、たまたま結果オーライということで ...


 
EUR/JPY 成績表



バフェットすごいわ」 の続きを書こうかと思っていましたが、クリスマスカードをもらって思うところが強かったので、ついそっちが先行してしまいました。
 
で、今日はある会社の忘年会に行ってきたんですが、これがまたカルチャーショックの連続で面白かった。

ネット掲示板風に言えば、アメリカの忘年会に出たが日本と違いすぎワロタ という感じ。

このネタもですね、忘れないうちに早く書きたいんですよ。 なのでバフェットいつになるやら...
 
なあ土曜から月曜までNYでバタバタする予定のため、しばらく何もアップしないかもしれませんが、様子見ながらがんばりまーす。

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