2011年12月13日火曜日

命がけで乗る地下鉄


世界に誇るワシントンDCの地下鉄。 乗客は以下のようなことを胆に銘じて利用する必要があります。
 
 
■ スキップらんらん♪
 
ラッシュアワーの上り線でのこと。
 
ほぼ満員の車両がA駅で停車後、なかなか発車しない。
 
アラーム音が鳴ってドアが閉まるが、すぐに開いてしまう。
 
ピンポンピンポン、プシュー(閉まる)  プシュー(開く)。
 
これを何度も繰り返すが、時間ばかりが過ぎていく。
 
ピンポンピンポン、プシュー 、プシュー。
 
しばらくすると駅員のおっさんが現れ、ドアをいじり始める。
 
ぴったりと閉まらないことを確認して、おっさん消える。
 
しばらくして再びおっさん現れ、天井付近の蓋をあけて何やらいじる。
 
ピンポンピンポン、プシュー 、プシュー を何度も何度も繰り返す。
 
おっさん、ほかの車両へ行って同じことを繰り返す。
 
他の駅員が来るでもなく、おっさんひとりでやっている。
 
ピンポンピンポン、プシュー 、プシュー
ピンポンピンポン、プシュー 、プシュー
ピンポ(以下略
 
事態が好転しないまま10分以上たったところで車内放送。
 
「全員降車してください。閉まらないドアがいくつかあるので」
 
がやがやと降車する乗客を意味不明の車内放送が追いかける。
 
「ドアには荷物や体を挟まないようにしてください」
 
おいおい故障はおれたちのせいだってゆーわけ? というボヤキが乗客の間から聞こえ、あたりはちょっと殺伐とした雰囲気に。
 
空の車両が去り、残された乗客でA駅のホームは満杯に。
 
ややあって、駅の手前で待たされていた次の列車が、イライラで目がつり上がった乗客を満載して到着。
 
降りる客はわずかで、車内はたちまち普段の2倍の混雑に。
 
乗客のストレスも倍増。
 
それでもなんとか発車したところで、すかさず車内放送が。


「次のB駅には停まりません」


わきおこる不満の声をものともせず、列車はB駅を猛然と通過。 ホームで呆然と見送る人たち。
 
次のC駅で乗客を詰め込みストレス最高潮に達した車内に響いた放送は ...
 
 
「D駅には停まりません」
 
 
D駅はオフィス街のメインステーションのひとつで、東京でいえば大手町駅のようなもの。 ここで降りる乗客は多い。
 
それらの乗客はこの日、通勤時間帯にもかかわらず1駅おきに飛ばしていく 「スキップ運行」 の犠牲者に
 
再びわきおこる不満の声をものともせず、列車はD駅を猛然と通過。
 
ようやく着いたE駅では、吐き出された乗客の大半が反対側ホームへと突進した。
 
 
【補足】
 
① 車両故障はよくあるし、突然降ろされることも普通。
 
② 経費節減のため駅員は2名ほどしか置いていないので、緊急時にろくな対応ができないのが普通。
 
③ 車両故障のとき、ちょっとメカ知識のある駅員がいればいじくってみることもあるが、基本はお手上げ
 
④ そういうとき車内放送で一応説明があるが 「お急ぎのところ誠にご迷惑をおかけいたしまして」 といった詫びはほとんど入らない。
 
⑤ 「スキップ運行」 の理由は地下鉄に取材していないので不明だが、遅れたダイヤを取り戻すもっとも手っ取り早い方法だからと思われる。
 
⑥ だとすれば、遅れたら遅れたなりのダイヤで整然と運行する日本の鉄道のような管理能力はないと思われる。
 
⑦ 無能のしわ寄せがすべて乗客にかかってくるのがワシントンDCもしくはアメリカにおける鉄道のスタイルと思われる。
 
⑧ なおこの件の被害者は私ではなくかみさんであった。
 
 
 
■ 病人がいるみたい
 
ラッシュアワーの上り線でのこと。
 
とある駅で停車後、なかなか発車しない。
 
しばらくして車内放送。
  
「車内に病人がいるかもしれないので確認中です」
 
 
なんの動きも見られないまま10分が経過したところで、ふたたび車内放送。
  
「全員降車してください。車内に病人がいるらしいので、救急車を呼んでいます」
 
降りた列車のドアはすべて閉じられ、中にはひとりの中年女性が横たわっている。
 
駅員が介護する様子も見られず、ひとりポツンと寝かされている。 どうやら倒れたときのままらしい。
 
乗客はザワザワつきながら見守るが、救急隊はなかなか来ない。
 
病人を乗せた列車が上りホームを塞いだまま、時間がたってゆく。
 
15分後、次の上り列車が、反対側の下り線ホームに到着。 片側交互通行になったため、ダイヤは大きく遅れている。
 
すでに30分近く足止めをくっていて先を急ぐ乗客たちは、病人のほうを気づかわしげに振り返りつつも、満員の車両にぐいぐい身を押しこむのであった ...
  
 
【補足】
 
① 病人の近くにいた乗客は、心臓マヒらしいと話していた。
 
② 病人の 「所在確認」 と救急車の手配に手間取った理由は不明。 車掌の動きの鈍さや、数少ない駅員との連携の悪さが疑われる。
 
③ 乗務員・駅員は急病人に一切手を触れないのが社内ルール。 タッチしたせいで死亡したといったトラブルを回避するため、介護や手当てはおろか、病人を移動させることすらない。 ほんとに指一本触れない。
 
④ 病人の命より会社を守ることが優先されるし、救急車はなかなか呼んでもらえないので、地下鉄で重い病気になるのはやめたほうがいい。
 
⑤ 急病人発生 → 指一本触れない → 車両を動かせない → 片側交互通行 が決まると、すべての列車が停止し、すくなくとも15分間はまったく動かないのが通例らしい。
 
⑥ 片側交互通行では混雑する上り列車を優先的に通したため、下り列車はすくなくとも45分遅れたらしい。
 
⑦ なおこの件の目撃者も、私ではなくかみさんであった。
 
 
 
いま、日本のことを思い起こしています。
 
故障や病人が出るのはどこでも同じ。
 
日本の駅員さんが必死になって急病人を助けようとするところを何度か見たことがあります。
 
こうなってくると日米の鉄道の比較というのは、利便性なんていうレベルではなくて、命がけかどうかみたいなレベルの話になっちゃいますねえ。


そういう意味での日本のサービスは、どう安く見積もっても世界一。
  
通勤者のみなさん、鉄道マンへの感謝の気持ちを忘れないようにね!
 
(引きこもっててあんまり地下鉄乗らない私が言っても説得力ないが ...)


 
 
12/13のトレード結果です。
  
 
EUR/USD
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降フェニックス (買い・売りNG)
損  益:  なし
 
きのうに続いておいしい動きを逃しました。  でエントリーした場合、日足ピボット(S1) をターゲットとして64pipをゲットできたところですが、ルールなのでしかたないですね。


 
EUR/USD 成績表
 
 
 
EUR/JPY
 
200SMA: 下降
フェーズ:  下降フェニックス
損  益:  48pip
 
昨日に続いてホイホイ落ちるもんかいなと思って見ていましたが、実に元気なブレークでエントリー。
 
日足ピボット(S2) に達して48pip獲得でした。


 
これでユーロ円は2連勝。 そろそろ調子を取り戻してくれればいいんですね。
 
EUR/JPY 成績表



地下鉄の話で 「乗客の目がつりあがって」 なんて書きましたが、面白くするための脚色です。

まあ日本でこんなことが起きたら目がつり上がるどころか車内やホームに怒声が響き渡るところでしょうが、アメリカ人はこういう事態に遭遇してもわりとおっとりしていて、客どうしで肩をすくめて苦笑いするとか、何か気のきいた冗談を言って笑うとか、そんな感じの人が多いです。

こいつらアホかいと思うことが無きにしもあらずとはいいながら、まあそういう精神の余裕は見習いたいものだと思っています。

一方で車内の混み具合についてですが、ラッシュアワーといっても東京のような殺人的な状態にはならず、普段は最悪でも客どうしの体が接触しない程度ですから、上でご紹介したような異例の混み方になると、みんなほんとに辛そうな顔をしています。

でも表情が柔らかいのはいつもと同じ。

東京ではよっかかってくる乗客を目線やヒジで殺そうかというような人が多いですが、そういう殺伐とした空気はないですね。


客はそんな感じだけど、地下鉄のサービスがひどいのは確か。

週末は工事のため片側交互通行なんてことがしょっちゅうで、首都の地下鉄にもかかわらず30分に一本しか来なくても驚かない。

工事は夜中にやれよ!といいたくなりますが、きっと高くつくから昼間やってるんでしょうね。

基本クルマ社会とあって利用客が少なく、お金がないんだと思います。


でもクルマ社会のほうもなかなか大変で、ワシントンDCへ南側のバージニア州からクルマ通勤している人は、すさまじい渋滞のため往復5時間なんてことがザラです。

クルマの上で年老いていく、みたいな ...

そんなアホくさいことはヤメにして地下鉄網をもっと整備してみんなでジャンジャン使えば解決、というわけにもいかない。

都市の構造が根底からクルマ社会を前提にしているため、通勤だけならまだしも、通学、買い物、レジャーといった生活全般を考えると、公共交通へのシフトはあまりにも難しい。

だからアメリカ人は今後もずーっとクルマをぶいぶい乗りまわしていくでしょう。

世界でもぶっちぎりの液体燃料消費国として、石油をジャブジャブ使い続けるでしょう。

そのことが国際関係にどんな影響を及ぼしていくのか、電気代をケチっているせいで薄暗い地下鉄の車内で考えてみるのも、これまたしみじみとした情趣があります。

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